時は金なり?③ ~お金を稼ぐことの意味
前回は、時間はお金で買えるということ、そして私たちが普段物やサービスを買っているのも結局は時間を買っているのだ、という話でした。
では、時間を買ってどうするのでしょうか。
そもそも何のために時間を買うのか、ひいてはそのためのお金を稼ぐことの意味とは何でしょうか。
何のためにお金を稼ぐのか
「何のためにお金を稼ぐの?」と聞かれたらあなたはどう答えますか?
食べていくため、養うため、幸せな人生を送るため…いろいろな目的があるかもしれません。
もちろんそうした側面はあるのですが、私は究極的には「時間を買うため」だと思っています。
前回述べたとおり、私たちが物やサービスを買うときには、結局は時間を買っていることになります。
また、そのように間接的に時間を手に入れられるだけではなく、お金によって直接に時間を手に入れることもできますよね。「時間を取り戻す」という言い方でもよいかもしれません。
誰であっても与えられた時間は1日24時間と限られています。
やらねばならない作業でこの限られた時間が埋め尽くされてしまえば、それ以上のことは何もできなくなってしまいます。
しかし、お金を払ってその作業を外注すれば、その分の時間を手に入れる(取り戻す)ことができます。
そして、手に入れた時間を休暇や趣味、家族との時間などにあてることができます。いくら高価な物を手に入れることができても、このような時間がない人生は幸せだとは思えません。
また、その時間をより生産性(いわば時給)の高い作業にあてることもできます。
他人に外注したその作業に比べて、自分がより生産性の高い作業をできるのであればその方が合理的ですよね。
生産性の低い作業は外注費を払ってでも他人に任せ、自分はより生産性の高い作業に集中することにすれば、より多くのお金を稼げることになります。
そして、これを元にしてさらに生産性の高い作業に集中して…と繰り返せば、理論上は、生産性は無限に上がります。もちろん現実には上限がありますが。
実際の企業においても、普通は、なるべく単純な事務作業は生産性の低い人に外注(雇用も含む)して、より多くの時間を、生産性の高い人による高度な知的作業や創作活動にあてさせているわけです。
ただ、この点を重視しすぎると結局「お金を稼ぐのは、より多くのお金を稼ぐためだ」というということになってしまいます。
営利企業であれば当然そうすべきですが、個人レベルでは、得た時間の使い方のバランスを考えなければなりませんね。
最後に
「得た時間をどう使うのか」という点は残りますが、これを適切に使えば人生を豊かにすることができると思います。
結局、個人がお金を稼ぐのは「人生をより豊かにするために、より多くの時間を得るため」なのではないでしょうか。
この目的を忘れ、お金を稼ぐという「手段」が「目的」になってしまうと、いくらお金を稼いでも幸せにはなれない気がします。
また、そうなってしまった人のお金の使い方は見ていて不愉快になることも多いです。お金を稼ぐという行為に汚いイメージが持たれるのも、そうした人が原因なのではないでしょうか。
常に目的を見失わないようにしながらお金を稼ぎ続けていくことが大事ですね。