不動産取引 法務一般

【借家】 建物利用権の種類 土地と違いそんなに種類はありません

投稿日:2017年10月25日


前回は土地の利用権についてでしたが、今回は建物の利用権についてです。

土地の場合と異なり、建物の賃貸借の場合にはほぼ借地借家法が適用されます。

建物賃借権・借家権(借地借家法・旧借家法)

建物の賃貸借については、後記③の一時使用目的賃借権を除き、借地借家法が適用されます。

もっとも、借地借家法では、建物の賃借権については(土地でいう「借地権」のような)特別な名前は付けられていません。
借地借家法では、民法上の賃借権について更新や効力について特則が定められているに過ぎないのです。

建物賃借権について、借地借家法で定める特則は下記①~③の3種類です。④の場合は借地借家法は適用されません。

① 普通建物賃借権
② 定期建物賃借権
③ 取壊し予定建物の賃借権
④ 一時使用目的の建物賃借権

① 普通建物賃借権

土地の場合と異なり、存続期間についての制限は全くありません。
契約で存続期間を定めた場合は、当事者が期間満了の1年前~6か月前までに更新の拒絶をしなければ、自動更新されます。

存続期間を定めなかった場合は、当事者が解約申入れをすれば一定期間後に契約は終了します。
貸主からの申入れの場合は6か月後、借主からの申入れの場合は3か月後に終了します。

ただし、土地の場合と同様に更新拒絶や解約・解除はそう簡単に認められるものではないため、長期間にわたり存続することがあります。

② 定期建物賃借権

定期建物賃借権とは、一定の存続期間を区切って更新を認めない賃借権です。期間が満了したら賃借権は消滅します。

土地の場合(定期借地権)と異なり期間に制限はありませんが、公正証書などの書面によって契約することなどが条件です。

③ 取壊し予定建物の賃借権

取り壊す予定の建物を賃借する場合は、特約で、存続期間を取り壊す時までと定めることができます。

ただし、単なる予定ではダメで「法令又は契約により一定の期間を経過した後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合」に限られます。

④ 一時使用目的の建物賃借権

土地の場合と同様、一時使用目的であることが明らかである場合には、借地借家法が適用されず、民法が適用されます。

その結果、①で述べたように更新拒絶・解約申入れについての制限はかかりません。

ただし、一時使用目的といえるためにはその客観的・合理的理由が必要で、単に契約書に「一時使用のため」と書いてあるだけでは一時使用と認められません。

使用借権(民法)

土地の場合とまったく同じです。

賃貸借は有料の場合ですが、無料の場合は民法上使用貸借といい、また違った規定が適用されます。
親族間の貸し借りによくみられます。

賃借権よりも弱い権利で、使用借権が消滅するのは、①存続期間を定めた場合には期間満了時、②使用目的を定めた場合には目的達成時、③期間・目的を定めなかった場合は貸主が解約申入れをした時点です。

存続期間については制限がありません。


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