子育てとブラック企業問題の共通点

赤ん坊に振り回されていたら、ふと「これってブラック企業の労働問題と似てるな」と思ってしまいました。

想定外の過酷さに苦しむ人々のために、ぜひとも周囲のケアが必要です。

 

労働条件、労働環境

そもそも労働基準法や労働契約法が適用されない無法地帯です。

・事前に聞いてた話と違う

生まれたばかりの赤ん坊は、1日18時間くらい寝るらしい。

ということは労働時間は6時間か、と思っていざ業務を始めてみると、どうもそうではないらしい。
なぜか6時間以上振り回されているぞ。

・休日がない

当然ですが、休みはありません。それどころか休憩時間もありません。
なお、労働基準法の休憩時間とは、休息のために労働から完全に解放されることを保障されている時間をいう、と解されています。

・睡眠時間もない

仕事(オムツやミルク)が終わって一段落した(寝た)と思っても、いつ緊急呼び出しがくるか分かりません。夜中でも呼び出されます。

こちらが寝ていても、起きるまでコールを続け、すぐに仕事させます。

 

上司の特徴

とんでもないブラック上司です。

・ワガママでヒステリック

機嫌が悪いとすぐわめく。突然泣き出すし、何で泣いているのか全く分からない。

他の哺乳類と比べてもかなり未熟な状態で生まれてくるので、赤ん坊は「放置されたら確実に死ぬ」という状況にいるわけです。
本人からすれば生きるために必死にアピールしているのですね。

・指示が不明確・ころころ変わる・不合理

そもそも日本語をしゃべれないため、何を命令されているのかよく分からない。

それでも頑張って忖度して、ミルクを作って持って行ったら「違う」と怒られる。

あるいは、ミルクを作っている途中に寝る。
寝たと思って安心していたら10分後にわめく。

また要求も不合理です。
「オレがいいというまで抱っこし続けろ」という命令なのだが、いつになっても「もういい」とは言ってくれません。
こっちの判断で勝手にやめると怒ります。

・本人も何に怒っているのか分からなくなってくる

最終的に、怒ってる本人も何について怒っているのか分からなくなっていることがあります。

「眠いのに眠れないから怒っているんだ!」と言っているような気がしますが、「眠いんだったら怒ってないで寝ればいいのに…」という反論は効きません。

 

従業員の心理状態

過酷な環境で労働を強いられると、従業員はこんな心理状態になります。

・自分が悪いと思いがち

赤ん坊が泣き止まないと「自分が悪い・至らないからこんなに怒られているんだ」と思いがちです。
パニックになり冷静な判断ができなくなってしまうのですね。

しかし、理由なく泣いていることも多いようなので、決してこちらが悪いわけではありません。

・辞められない

まぁ本当に辞めようと思う人はいませんが。

自分が辞めたら赤ん坊は死んでしまいますので、辞めようと思っても辞められません。

・周囲の支援が必要

こんな状況で睡眠不足のうえ一日中振り回されていれば、まともな精神状態でいられなくなります。

ということで、精神面をサポートするためには周囲の支援が必要になります。

 

周りの人たち

周りに相談しても、過酷な内情を分かってくれなかったりします。

・外の人は分かってくれなかったりする

実際の労働問題でも、周りから「就職できない人もいる。いい会社に勤められてるんだから我慢しないと」と言われることは多いそうです。
いやいや本当に大変なんですって…

また、経験者に体験談を聞いても、なぜかそんなに悲惨な話が出てこないことがあります。
が、詳しくヒアリングしてみると、あまりに過酷すぎる体験だったためその時代の記憶が抜け落ちてるだけだったというケースもあります。

過酷な体験を思い出させてしまってすみません。

・「昔はもっとキツかった」と言う先輩が必ずいる

先輩に愚痴をこぼすと「今は楽になった。自分たちのころはもっとキツかったぞ」と言われる。
いやいや現代は現代でまた違う苦労があるんですよ…と言いたくなります。

さらに「昔の専業主婦」だった人に言われるならまだしも、「昔の専業主婦の夫」だった人に言われると絶句です。

 

相違点

とまぁいろいろな共通点がありますが、まとめると「思ったより過酷な現場なので周囲の理解と精神面でのサポートが必要」ということですね。

唯一の相違点があるとすれば「終わりが見えていること」でしょうか。
終わりが見えていれば頑張れる気もします。

 

ただ、先輩の話では「終わらねぇよ。苦労の種類が変わるだけだ」とのことでしたが…