任意売却とは、不動産を、競売手続や破産手続などの強制的な手続によらずに、任意で売却することをいいます。
主に以下のような場合で任意売却を検討することになります。

・業績の悪化により建物のローンを支払うことができなくなったので、不動産を処分して債務を圧縮し立て直しを図りたい
・住宅ローンが支払えず、抵当権が実行されてしまった
・住宅ローン以外の債務は無いが、住宅ローンが支払えなくなったので破産をすべきか検討している
・破産申立てを行う費用すら無いので、不動産の処分により何とか費用を捻出したい

このような場合、競売手続や破産手続(※)においては、不動産の売却代金は全て債権者(抵当権者)への支払いにあてられてしまいます。

しかし、任意売却の交渉では、売却代金のうち一定程度の金額を債務者のため(または破産申立費用のため)に残せることが多くあります。
また、親族など信頼できる人物に売却し、さらにその人から建物を賃貸してもらうことで、売却後も建物に住み続けられるという方法をとることも可能です。

任意売却には、このように柔軟な解決法をとることもできるというメリットがありますので、一度検討してみてはいかがでしょうか。

→差押物件の任意売却は難しい?

(※)破産手続においてもほとんどの場合は最終的に任意売却が行われますが、この場合の任意売却では、余剰金が出ても全て他の債権者への支払いか破産手続費用にあてられるため、債務者のために資金が残ることはまずありません。